7.08.2013

40_日本言論知図_10

<婚活>
「評論家・内田樹は、婚活という概念の中にある『結婚すべき相手は世界にただ一人』という考え方がそもそも間違いであるとして、どのような相手と結婚してもそれなりに幸せになれる人間的資質を磨くべきであると主張する」
婚活する人のなかにも、この本質的に正しいアイディアを持った人も一定の割合で存在すると思いますが、それにしても圧倒的に正しい。付け加えるなら、自分をシアワセにして、ありあまるパワーで相手もシアワセにしてしまう資質がベター。

<世代論>
古代ローマの遺跡から発掘された石に『最近の若者は .. 』と書かれていたことは有名ですが、少年犯罪の分野についての重要な指摘。
「社会学者のパオロ・マッツァリーノは、1997年におきた『酒鬼薔薇事件』以降マスコミで盛んに喧伝されるようになった『最近の若者はキレやすく、凶暴な少年犯罪が増加している』という主張に、統計データを示して反論。実際には昭和30年代をピークに殺人・強姦などの少年凶悪犯罪は激減しており、データに照らせば『戦後もっともキレやすかったのは、昭和35年の17才です』と指摘した」

<自分探し>
「(現代の『自分探し』は)1980年代の高度消費社会的な傾向とは異なり、消費による自己実現との距離感を伴った風潮を指す .. 地震の放浪や破天荒な来歴を売りに自己啓発書を著し、『自分探しのカリスマ』と称される高橋歩などが象徴的人物といえよう。
自己啓発本やセミナーの多くは、ポジティブシンキングにより運命が開けるとする、『ニューソート』と呼ばれる考え方と根本思想を同じくしている。19世紀アメリカに発生した宗教運動に源流を持つ、このニューソートという言葉自体はさほど日本社会に膾炙したものではなく、自己啓発書などの発信者がこの概念に無自覚であることもすくなくないと考えられる。しかしビジネス書などの成功哲学を説く類の書籍を含めて発想としては広く共有されているものである。

ghostwriter