2.28.2019

インド・アーユルヴェーダ9.

滞在中に、処方されている、薬材を薬にする工場の見学に行きました。古来のやり方にのっとって、薬の処方が2000年近く変わっていないだけでなく、薪を使ってボイルしたり(使われる薪は植物の中でもピッタという火の性質がもっとも強いとされている木を使っているから火力が強いとのこと…すごいこだわり!)、手作業が多く、タイムスリップしたような気分になりとても面白かったです!

貴重な薬草を乾燥してある部屋が、価値がわからないとゴミの山にしか見えなかったのがすごい…宝の山なんだけどね(笑)
スタッフの方々の制服もなんだか渋くて中世のよう。

by tomoko

2.27.2019

インド・アーユルヴェーダ8.

アーユルヴェーダと東洋医学の違い。
東洋医学は五臓六腑のバランスを中心に考えられています。
アーユルヴェーダは先にも少しお話ししましたが、water,earth,fire,air,spaceというインド的5元素の個々人のバランスにより、大まかにピッタ・ヴァータ・カパという3つの性質に分けています。

ピッタ:火の性質が強く表れていて、エネルギッシュ、激しい、など。

ヴァータ:風の性質が強く表れていて、軽く、乾燥しやすい、など。

カパ:水の性質が強く表れていて、重たく、冷たい、など。

大きく3つに分けてますが、身体の部分によって全体的にはヴァータの性質が強くとも部分的にカパがある、などと細かく細かく分けることができます。

産まれた時に元々持っていた性質から変化してずれてしまうほど不具合が生じるとされていて、元々持っている質を見極めなければなりません。バランスは人によって違うからです。

東洋医学もアーユルヴェーダも医食同源的な考えをしていますが、例えば東洋医学では食べ物は全て陰陽(中庸もあり)に分けられますが(さらに言うと五臓への作用もみる)、アーユルヴェーダでは食品はピッタ的、ヴァータ的、カパ的というのを食べ物のもつ作用や水分量なども考慮して複合的に分けられています。

さらに!アーユルヴェーダでは面白いことに、植物のもつカタチや色にも考慮されていて、自然界の物モノは、そのものの持つ作用に合ったカタチや色をしている…とのこと。つまり、赤い食べ物は造血効果があるとか、クルミは脳に効く、オリーブの実は卵巣によい、ブドウは肺にいい(肺胞と似ている)などなど。
非常に興味深いです。

by tomoko

2.25.2019

インド・アーユルヴェーダ7.

世界に一つしかないアーユルヴェーダ博物館へ行きました。
いろんな種類の薬草がサンプルとして栽培され、太古からの歴史がわかりやすく紹介されていました。
Dhanwanthariというアーユルヴェーダの神様もいらっしゃいます。

気軽に行ったつもりが、案内係の方の熱い情熱に押され、さほど広くない館内を懇切丁寧に説明してくれて、結局二時間半以上もいるという…。
しかし、ホントに勉強になりました。

by tomoko

2.24.2019

インド・アーユルヴェーダ6.


アーユルヴェーダとは要するに、身体にたまった不純物や毒素の排泄をいかに促し、産まれた時にすでに備わっている個々人のよい身体のバランスにどう近づけるか、ということでした。
産まれた時のバランスというのは、絶対的に備わっている個人のもので5元素(インドではwater,earth,fire,air,space)の微妙なバランスが人それぞれ違うという考え方です。
そのために、その人それぞれに合わせた施術が施されますが、それをパンチャカルマと呼んでいます。パンチャは「5」、カルマは「排出、放出」というもので、5種類の排出方法という意味です。
人間の身体の排泄器官といえば目や鼻、口、泌尿器、肛門、発汗や皮膚などですが、それに応じたトリートメント方法があります。

3週間ほどの滞在中に、実にいろんなパンチャカルマが施されましたが、大抵の方が滞在後半に何度かvastiと呼ばれる浣腸をされます(当然人によってはやらない人もいます)。その最終的な目的でもある大きなデトックスをより効果あるものにするために、毎日医師の回診によりパンチャカルマメニューを計算・組み直したりして各個人の排泄を促しやすくする施術をします。

私の場合、滞在中に行われたパンチャカルマは…
・Podikizhi:タンポのような、布にハーブを詰めたボールで薬液をつけながら全身をリズミカルに叩く。左右二人のテクニシャンが息を合わせて上手に叩く。

・Nasyam:顔からデコルテまでをオイルで丁寧にマッサージしたのち、トゥルシー(バジル系のハーブ)が入った水のスチームを鼻から吸って口から吐く。気道を整える感じ。

・Dhoomam:鼻にギー(バターを煮詰めて作られたオイル。バターのタンパク質分を除去しているので腐らない)を片鼻3滴ずつ垂らす→鼻腔あたりのマッサージ→お湯でうがい→口からオイルや不純物が出る。

・Abhyangam:全身オイルマッサージ。頭にはアムラと呼ばれる植物のオイル、他の部分は全てEladIi oilと呼ばれる、ココナッツオイル。薬効成分も入っているかもしれない。

・Gandoosham:薬湯でうがい。最初は複雑な味の薬湯で5分間うがい×3回だったのが、問診の際に歯の神経がないところがあって滑舌が悪くて喋りにくいと言う話をしたら、薬湯ならぬ薬油に変わった。油を口いっぱいに入れてクチュクチュ(5分間×2回)するのは気持ち悪かったけど、何度か繰り返すうちに口の動きが良くなった気がする。(喋りは性格もあるので変わらないけど、笑)

・Thakradhara:仰向けで、額に軽く冷やしたバターミルクと呼ばれる液体(いわゆる乳清)をゆっくり左右に揺らしながらかける。30~40分くらい。不思議と気持ち良くていつも寝てしまうので時間がわからない…。Abhyangamの後にやることが多い。

・Thailavasti:オイル浣腸。30~200ccほどのオイルを入れる。穏やかな効き目。

・Kashayavasti:1リットルほどの薬液を入れる浣腸。意外と大丈夫だった。入れられた後、5分待ってからトイレへ。とにかくすごい量が出た。。

私の体質的には、これらの組み合わせでしたが、他の方は全然違う方法などで、とにかく色んなやり方がありました。

by tomoko

2.23.2019

インド・アーユルヴェーダ5.

インドでは昼食がメインです。
南インドはライスをよく食べます。
特にこの地方では、珍しくタイ米のようなロンググレーンではなく、ジャポニカ米のような丸っこい米で赤米です。

昼食写真あれこれ。
全然飽きなかった。
昼食についてくる白い飲み物は、バターミルクといって、牛乳にヨーグルト菌を入れて一晩おいて、翌朝ヨーグルトになりかけたものを遠心分離機で撹拌して油分を取り除いた液体。バターミルクという名前ですが、ヨーグルトの上澄み(乳清)と似たようなもの。このドリンクが、体内の不純物や毒素を吸着して排出を促しやすくするのだとか。
このバターミルクは、アーユルヴェーダで有名なシロダーラと呼ばれる額に油を垂らす施術と同じ用途でも使われます。その場合はThakradhara(タッカラダーラ)と呼ばれます。
私の場合、後半欠かさず行われました。

by tomoko

2.22.2019

インド・アーユルヴェーダ4.

毎日の食事は食事担当の方が作ってくれます。
インドでは、冷蔵庫がないのが当たり前。気温が高いこともあり、食事の作り置きをしません。常にフレッシュなものを食べます。
クリニックの食事は滋味深くてどれも美味しかった!
ケララ州は昔からココナッツの産地で、朝食にはチャツニと呼ばれるフレッシュココナッツをすりおろしたようなソースが出ますが、これが美味いのです。米粉のクレープや米粉を一晩発酵させてから蒸すイドゥリーなどの付け合わせとして食べます。
フレッシュココナッツが手に入らない日本で再現できないのが何とも残念(>_<)昼食のココナッツカレーやサンバルという酸っぱいスープは、南インド特有の味。北インドとはだいぶ味が違います。個人的には南インド料理の方が好きかな。

写真は全て朝食メニュー。
上から、ドーサ(米粉クレープ)とココナッツチャツニとチャイ、ウップマ(セモリナ粉のターメリック味付けで炊いたもの(これも美味い)とチャイとバナナ、イドゥリーとココナッツチャツニとバナナ、ダールイドゥリー(豆の粉のクレープとココナッツチャツニとチャイとバナナ。

by tomoko

2.21.2019

インド・アーユルヴェーダ3.

薬の処方と同時にボディメンテナンスとしてのトリートメント施術があり、毎日細かくスケジュールが決まっています。前日の夕食時に翌日のスケジュールが貼り出されます。

毎日のスケジュール(とある日の私の場合)
6:00 服薬
7:30 チャイ(飲みたければ)
8:30 朝食
9:00 服薬
10:00 ボディトリートメント
12:30 昼食、食後に服薬
14:30トリートメント
17:00 服薬
18:30 夕食、食後に服薬
寝る前も服薬
22:00 消灯

by tomoko

2.20.2019

インド・アーユルヴェーダ2.

クリニック滞在は患者さんの症状にもよりますが、少なくとも2週間は滞在して処方を受けなければなりません。食事も医食同源なので、処方の一つとみなされるからです。

私は特に困った症状はなかったのですが、主訴として片鼻が詰まりやすいこと、首のこり、低血圧といった症状を伝えました。
もちろん滞在している方で、実際に病気を患っている方も多く、ご高齢の方も多いです。そうした方は3ヶ月や半年など長期滞在をしておられます。

診断は東洋医学と同じで、まず患者さんの主訴を聞き、視診(その人のなりを見て診断)、脈診はする先生としない先生がおられるとのことです。

そして処方された私の薬がこちら。多すぎる~(笑)!

アーユルヴェーダでは、一つの症状を治すにもトータルで考え、全体を整えながら部分的に治していくというやり方なので、薬の処方も多くなるのかもしれません。

by tomoko

2.19.2019

インドのアーユルヴェーダ1.

すでに帰国しましたが、覚書きとして残すつもりで。

〜2/18まで南インド・ケララ州にある、由緒あるクリニックにて、伝統的なアーユルヴェーダ体験をしてきました。
ここのクリニックは2年半待ちという人気ぶり。欧米の方が多く利用しています。

アーユルヴェーダという言葉は日本でも美容などでよく聞かれるようになりましたが、私は本来の医学的な観点から捉えてみたくて、リゾート感覚ではなく本物のクリニックを探してました。
そうしたらなんと都合のいいことに、インド通でアーユルヴェーダに大変詳しい方がたまたま紹介して下さり、あれよあれよと思うまま、順調に参加することができました。

アーユルヴェーダは5000年も続く伝統的な医療です。薬草の選別や効能の研究など、長い年月を経て体系化され発展したものです。歴史的な流れから数百年ほど途絶えた時期もあったそうですが、残された口伝や文献から再び復活し、昔ながらの処方と施術のまま現在も行われています。

アーユルヴェーダの医師はその知識や訓練の有無などでランク付けされており、最高権威をもつ方はインド政府が認めた6家族しか残っていないとのこと。その全てがケララ州。
今回参加できたクリニックはそのうちの1家族(カーストなので家族単位)です。

クリニックの建物は、インド風水学に基づいているので全て東側を向いており、西の窓からはきれいな夕陽がみれます。
案内された部屋も清潔で快適でした。

by tomoko

2.04.2019

2019立春

太陰暦(旧暦)での正月です☆
どちらかというと、年初めの元旦よりも立春の方が気持ちの切り替えができます。好みの問題かな…。

というわけで、2019年いよいよ始まりました!!2018年は本当に色んなことがありました。楽しいことや嬉しいこと、思い出したくないことなども含めて…(^^;;
年々益々の自己ベストを尽くして公私ともに前進あるのみ。ガンバリマス。
そろそろ脱皮を目指さんとね。

昨年いただいたチベットのカレンダーは太陰暦で書かれていたので2月スタートでした。さらにチベット語で書かれていたのでカレンダーというよりインテリアでした〜わざわざお持ち下さったNさんありがとうございます。ちょうど一年使ったので、無事に返却しました(笑)

by tomoko

2.02.2019

薬草

私は東洋医学を学んで鍼灸師になりましたが、世界各地にはいろんな医学がありますね。
チベット医学やインドのアーユルヴェーダなど伝統的なものは興味が尽きません。

自分で飲むのはあまり好きじゃないけど、薬になるハーブは見たり調べたり描いたりするのが好きです。美しい花を見るよりも。

そういえば、昔から薬師如来に妙な愛着を覚える子どもでした。
写真はネパールで買った薬師如来の絵。
インドのアーユルヴェーダも薬草をたくさん使うみたい。
チベットやアメリカインディアンの薬草とかもすごく気になるなぁ…。

植物の絵をいっぱい描きたい。

by tomoko