6.22.2013

オウム

オウム真理教について、麻原や村上春樹の著作を読んだり、いろいろな論説を読んだりして、自分なりに調べたり考えたりしましたが、やっぱり納得出来るだけの説明が見当たりません。

プレビューですが、その限界についてやっぱり語られている論議。

・この時代に、承認のアドレス(自分の被承認欲求を満たしてくれるソース)を、性(ロマンチックな恋愛)から宗教へとシフトした若者が多数あった。
・自己啓発セミナーのルーツは、ベトナム帰還兵の脱洗脳プログラム。これがエグゼクティブ養成のツールとして爆発的に米国で広まった。変性意識下での意識スクリプトの書き換えは、実際に成果をあげた。この訓練を受けた者たちの一部は(日本で)新興宗教の店開きに向かった。
・「神秘体験は神秘現象の存在をいささかも意味しない。超常体験は超常現象の存在をいささかも意味しない」これがユングの言葉であることが重要。
・神秘体験は同様のプログラムで再現(体験)することが可能。セミナーでその体験をしてある意味免疫があるものはラッキー。ない者は洗脳の対象になった。
・しかし、オウム真理教の組織は巨大であり、この仮説だけで起こったことすべてを説明することは難しい。「増幅し、拡大し、自己維持するメンテナンスのシステムがあったんですね .. 」
・「認知的整合性理論」 .. 我々は、自分自身の変えられない属性に整合するように自らの認知を歪める。例えば、<変えられない属性>とは、原発事故で汚染された食べものがスーパーに並んでいるのを経済的な理由で食べなければならない、または汚染された土地に住み続けなければならないこと。<(歪められるべき)自らの認知>とは、その食べものが汚染されている、その土地が汚染されている、という認知。汚染を唱えるものは間違っている(ある意見が間違っていることをある程度論理的に主張することは常に容易である)という理由でその認知を歪めることによって、整合性が保たれる。
2012年7月アップロード。

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