6.06.2013

31_脳が喜ぶ話_03

どう考えても時速百キロで動く鉄の塊を、ハンドルというこういう輪っかで運転することがわれわれに出来るなんて、たとえば千年前だったら思いもしなかったと思うんですが、実際やっています。しかしハンドル操作というのは、それまでやってきた何らかの道具使用の等価物としてあると思うんです_茂木健一郎

僕らが動物園に入ったころは、食べやすい形で与えることがよいとされていたんです。でも、今は逆にさがすところから始めさせて、探してようやくみつけたとしてもきわめて食べづらい形にしている。苦労して苦労して食べて、「ああ、よかった」というふうに思わせることが環境エンリッチメントの大きな要素だと思います_小菅正夫(旭山動物長)

食べられなかったら次の日を迎えられないわけだから、すっとそのことだけに、彼らは神経を集中して活動しているわけですよ。そして食べ終わったらゆっくり寝る_小菅正夫(旭山動物長)

ムダがないというより、余裕がない。生きていくというそれだけで精一杯 .. 僕らは食べ物を取ったらその後、何か楽しみが待っているんだけど、彼らはそこから、せっかく自分の身体の中に入れたエネルギーをなるべく長持ちさせるようにゆっくり休んでいる_小菅正夫(旭山動物長)

百何歳の曹洞宗の禅師のインタビューを見ていたんです。「悟りとは何ですか」と質問者がたずねた。「平気で死ねることですか?」と。そしたら禅師はこう答えたんです。「平気で死ねることですよ」_小菅正夫(旭山動物長)

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