-言葉-
言葉の使用についてのもうひとつの秘訣は、一度に三つの指示を出すのではなく、ひとつの指示を三度出すことである。あなたが言ったことうぃ、生徒が一回で聞き取れないのは当然であり、二回目でさえもそうである。繰り返せばよいのだ。ヨーガ・クラスでは解離が頻繁に起こることを覚えておこう。<引き金>は引かれる。それは避ける事ができない。指示を繰り返すとこで、あなたは生徒たちに試金石を与えているのだ。あなたの声が、そしてあなたが差し出す手がかりが指針となって、生徒が<この瞬間>に立ち戻るのを支えるのである。
-支え-
われわれの多くが折々にヨーガ教師から体に触れられる経験をしている。それは教師の側の、自分が思ったようにクラスを進行させる上での必要性から出たもので、教師が「ポースはこうであるのが良い」と思う形に仕上げていくためである。トラウマ・センシティブ・ヨーガの観点から言って、これは本当に危険である。われわれのプログラムでは<安全性>が最優先ではあるが、トラウマ・サバイバーが彼らの体と経験を自分のものとして取り戻す手助けもしたい。
-教師の資質-
.. 並々ならぬ努力を持ってその空間に足を運んだのである .. われわれは何を求めているのでもない。「ただ彼らを歓迎しているのだ」ということが伝わるようにしておきたい。
.. 褒めることが問題になることもある。なぜなら、それによって生徒たちが自分たちの主体的な経験に集中することよりも、「教師を喜ばすことを大切にしてしまう」ことがあるからだ。
-環境-
.. 「大型のトラックが通っていますね」とか「今日は外で建設工事か何かをやっているようです」というように。それは生徒たちを<現在>にとどまらせる(グラウンディングの)ためである。
-エクセサイズ-
.. われわれはプレゼンテーションを、通常のヨーガ・クラスよりもゆっくりしたペースで行ったほうがよいだろうと考えて、意識的にそのようにした。ところがクラスが終わってから生徒たちに聞いてみると、ほとんど全員が「とんでもなく速かった」と言う .. インストラクターは意識して何もかもスロー・ダウンするように務めたのに、生徒たちは一気に素通りされたように感じたのである。
.. 体を置くスペースも、安心感が持てるように、そしてマインドフルな身体的エクセサイズが出来るように、もう少し広くとってほしいとのことだった。われわれはもっとスロー・ダウンしなければならないことを学んだのである。
.. 苦痛の受容は、ヨーガを使うことによって向上するスキルのひとつである。これは生徒たちが<引き金>が引かれたり圧倒されたりすることなしに、小さな不快に耐えることができる、ということを意味する。苦痛の受容はの大切な側面は、"時間の感覚を持つ"ということである。トラウマ・サバイバーが苦痛を受け入れられないのは、「これは決して終わらないのだ」とか、「こんなことは我慢できない」という思いのせいである。彼らに、「経験は予測することができ、コントロールすることができる」という感覚を持たせることが出来れば、不快な感覚に耐えられるようになるのである。
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