7.12.2013

43_嫌われ者の流儀 堀江貴文×茂木健一郎

茂木健一郎 「日本の社会は、往々にして自分たちの中から新しい秩序を生み出す創造者が出ることを許容しない。だから、電子書籍のように、出版社や著者、流通関係者がお互いに置いてに遠慮し、自分の権利を主張し、三すくみの状態になる。そこには、読者にとって何が利便なのかという真摯な反省がない。そんなことをしているうちに、アメリカの企業が企画を統一し、日本市場も押えてしまうということになる。行動せずにお見合いをしているうちに、『黒船』が到来し、すべてかっさらっていってしまうのである」

茂木 「基本的にこの国の多数意見は『自分は我慢しているんだから、お前も我慢しろ』でしょう。新しいことを許さないというのもそれで、自分は同じ日常で我慢しているんだから、他のやつも我慢すべきだって」

堀江貴文 「いま日本の最高裁の判事は15人いますけど、ほぼ全員が保守でしょう .. 日本のガチガチの保守で固められた最高裁ではリベラルに触れる可能性すらない」

茂木 「英米は逆でしょう。根本的な思想として個人の幸福追求権があり、それをサポートする限りにおいては国家の存在を認める。国家が個人の幸福追求権を侵害するようになったら、それに反逆する権利があるという考え方。」

堀江 「法律に触れるものは全部訴追するかっていうと、そうじゃない。遠山の金さんみたいな警察や検察の裁量がものすごくみ認められている。『あいつは嫌われ者だからいっちょやったれ』みたいな」

堀江 「.. たとえば『笑っていいとも!』がありますよね。テレビでは時間が来たらCMを入れる。でも、テレビではCMをやっている間もインターネット、ライブドアのサイトではアルタスタジオの生中継が続いているとしたらどうですか?みんなネットにアクセスしたくなるでしょう?.. あと、僕は24時間ニュースチャンネルを作りたかった」

堀江 「.. 社会復帰促進センターがいい」
茂木 「今何か所くらいあるんですか?」
堀江 「全国で4か所かな .. この4か所はいい。部屋に鍵がついていないんですよ」
茂木 「へえ」
堀江 「受刑者ひとりひとりがICタグを持っていて、所内のどこにいるかすぐわかるので敷地内の移動も自由で。ここの社会復帰プログラムでは、コンピュータのプログラミングの勉強とか出来るんですよ .. 木彫りのクマを作るよりいいでしょ」

堀江 「エアトランセっていう小さな会社で、飛行機2機でやっている。その人なんか、もともとタクシー屋さんですよ」
茂木 「へえ」
堀江 「.. リーマンショック以降、機材もパイロットも世界で余っていて、そこにチャンスを見いだして飛び込んだわけです .. さらにいえば、JALがやっていることって、沈みゆく船から逃げ出すんじゃなくて、船の中に積んである財宝の奪い合いをしているみたいな .. 」
茂木 「うん。でもそれって、日本全体なのかもね」

堀江 「だってもう、公務員いらなくないですか。アメリカでは人口何万人かの町で、公務員が4人しかいないところがあるらしいですよ」
茂木 「ほんと?警察とか消防はどうしているんだろう」
堀江 「あ、そういう公務員は別にいるか民間に外注しているんじゃないかな .. だって市役所の人とか、なんであんなにいるんですか .. 全部民営化しちゃえばいい」
茂木 「政治家もね。というか、つまりは国家権力なんてものが本当に必要かどうかってことも考えたほうがいい .. 国家なんて結局は『リヴァイアサン(怪物)』なんですよ。むき出しの怪物性を持った存在」

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