7.07.2013

40_日本言論知図_07

<救命医療>
「救命医療体制が危機に陥った原因としては、救急医療の中心を担う二次救急医療機関の崩壊が挙げられる。新臨床研修制度の影響による医師不足や、派遣医師の引き上げ、小泉政権下での医療費抑制政策、医療の高度化による訴訟リスクの増大など、医療現場の疲弊が進んだ」

怪我や病気は医者や薬が治してくれるもの、という考えは、かなりさまざまな不幸を生みます。治らない症状があって当然で、治っても完全に元通りのバランスは取り戻せません。治るとか取り戻すといった発想さえ捨てて、あるがままのバランスを自分で把握して、否定せず、他人や過去の自分と比べず、あらゆる余計な摂取を引き算して、シアワセな身体だけが残るような生き方が可能です。

<臓器移植>
「生命倫理会議(代表・小松美彦東京海洋大学教授)が見解を表明。ドナーとなる子供への虐待の有無を判別する難しさが認識されていない、『脳死=人の死』であるという事実が省みられていないなどから、倫理的にも、法的・政治的にも、やがて深刻な問題が生じることを危惧している」

脳科学的には、意識が無意識をコントロールするという図式は既に否定されており、無意識によって決定された行動を意識が「後から」知覚しているにもかかわらず、認識上の時系列が入れ替わることが証明されている。「人格」の主体を意識から無意識にシフトすることは、刑法の処罰対象を含めた広義の「道徳」を根底から揺るがす事態であり、高校の教科書にいまだニュートン力学が(最終的な定理であるかのように)載せられていることに似て、しばらくは「受け入れられない真実」として保管されることになるであろう。

ghostwriter