5.27.2014

82年生まれ

「 .. '97年ていうのはインターネットにとってとても重要な年でですね、インターネットがすごく普及したことを前提にして、オタクのコミュニケーションのあり方もが変わってね、ネット上でのたわむれってことにね、優先順位が移ったんです。それまではね、どっちが知識があるかっていう、いわゆるうんちく競争だったんです。それはネットで変わるし、で、あるいはですね、まあそれも含めて、いままで差別されていた人たち、オタクの方々、あるいは自分が性的な弱者だと思っていた人たちが救われた、そういう時期なんですね。厳格にいうと、'95、96、97あたりにそういう変化が起こったんですね。ぼくがインターネットについて一貫して言ってることがあって、まず、90年代に起こったことはですね、音羽の母事件に関係するんだけど、最初はね、疑心暗鬼が起こるんです。自分だけがもしかしたら連絡網から外されているんじゃないかっていうね、恐怖心で、いまそのね、LINEでいうね、既読問題 .. 」

「 .. そういうある種の疑心暗鬼の延長線上で、例えばぼくがね、2000年に入って、ぼくがまだ援助交際の取材をまだ時々してたときに、親友同士にはそういうのを打ち明けるっていうのがそれまでだったのに、まったく打ち明けないんです、だれに聞いても。それはなんでかっていうとね、それは「脳内だだ漏れ問題」で、つまり、例えばぼくが神保さんになにか打ち明けると、神保さんがSNSに書いちゃう、プロフサイトに書いちゃう。プロフサイトのブームって2003、4年なんだけれども、それが怖くって、実際それが原因でトラブルがたくさん起こってたんです。中学、高校で。例えばぼくが「親友が売春してます」って書いたら「お前の親友ってだれだれしかいないじゃん?」てね、なるわけですよ」
「じゃそもそも、親友自体が成り立たなくなったってこと?」
「そう。なので、その疑心暗鬼を背景に、やっぱり親友ていうのがなくなるんですよ。さっきの疑心暗鬼、ね、仲間はずれにされるんじゃないか、そういうのがあってて、基本的は深くかかわれなくなっていくんですよ。深くかかわれなくなって、それを補うように、ますますネットに深く入り込むようになって、ネットに深く入り込むようになるほど、疑心暗鬼が広がって、ますますリアル・コミュニケーションが出来なくなるんですね」
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