2.21.2017

水野和夫

神保:..しかもベンツがプアマン・ベンツみたいなのを出すようになってきたと。200万円台とか、300万円台とか。水野さんはこんな状況でどう思いますか?個人レベルで考えたときに。

水野:わたしはもう、若い人たちがもうすでにそういう生活、若い人はそんな大きなクルマを欲しいとそんなに思ってないでしょう。若い人たちが、会社で部課長になってくる。あと20年くらい経てばですね、仕事に生きるっている人たちが、だんだん引退しますよね。そうすれば、40代、50代になって部課長になれば .. 対前年比で、まだ上司が三割増って支店長会議で言うと思うんですけど、実働部隊の課長が部下に「部長はあんなこと言ってるけど、去年と同じでいいよ」と、そういうひとが増えてくればですね、もうおのずと変わっていくと思います。もう時間をかけるっていうかですね、仕事イノチだっていう人に、それはもう古いですよって言ってもたぶん納得してくれない

神保:わかんないですね

水野:わたしはこれで成功してきたんだ .. そういうひとがいなくなればですね(笑)。それからあとは、若い人が会社に入ったときに、心配なのは、22歳で会社に入ったときに鬼軍曹がいて、22歳の子を洗脳しちゃうことだけはやめて欲しいなと。

神保:そういうときに、やっぱり、仕事に生きるんじゃないと。家族であるとか、友達であるとか、コミュニティであるとか、そうしたものの価値ががぜん上がってくるわけですよね。それ持ってないと、仕事を辞めて家に帰ってもTVばっかり観てるみたいな話になっちゃう。そこはやっぱりそうなるわけですか?

宮台:そうなるとおもいます。そのときに、昔ながらの地縁に基づくまったりしたそういうものだけじゃなくてね、新しいものも加わっていくと思いますよ。

神保:どんな要素が入る?

宮台:たとえば、オタクっていうのが差別用語じゃなくて、オタクであることによってコミュニケーション・チャンスが広がる .. オタクじゃない人、映画とかサブカルチャーにまったく素養のないひとって.. だから仕事をし続けるしかないっていう。

神保:もうそういうふうになってるよね。他にすることがないからって週末に会社に来ちゃうような人のことでしょ?

そして世界は中世に戻る 水野和夫
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