脳は間違いなくロジックによらず考えているけれども、そのロジカルでない思考にはしかし厳然たる揺るぎない傾向があり、その中心には「守るべきもの」の存在があります。守るべきものに「アイデンティティ」といった名称をつけて終わりにするのではなく、もっと生々しいコトバで白日の下にさらす手段が、心理学のような学術語になるか、文学のようなメタフォリカルな表現になるかのどちらかにしかならない理由は、コトバがそもそも「守るべきもの」を守り、それを破壊しにやってくる概念を覆い隠すためのものであるからです。
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