第12章 正常、異常とは何か→2. インセスト・タブーと文化→インセスト・タブーは例外が多い
「.. タブーとは単なる禁止とは異なり、違反に対して強い恐れの感情を引き起こすものをいう。それゆえインセスト・タブーとは、人々が恐れるある範囲の親族間の結婚や性的関係を禁じる規則、慣習であり、「人を殺すな」とともに、人類共通の2大タブーである。
.. 食欲なら誰でも、どの民族でも持ち、例外は存在しないが、インセスト・タブーの場合、エジプトの王室や、日本でも皇室に近親婚がかなり見られるし、今日でも週刊誌などで報じられるように、かなりの例外があり、本能であることを疑わせる」
日本の法律では3親等以内の婚姻が認められない。韓国の法律では8親等以内の婚姻が認められない。
マリノウスキーによると、インセスト・タブーの社会的な機能は、親族関係(制度)の混乱を防ぐことであり、レヴィ=ストロースによると親族体系の存続(生理学的な多世代に継続する保存と、他集団との女性/男性のトランスファーによる社会的認知の保存)である。
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