12.16.2014

最高裁判事

木村草太:愛媛玉ぐし訴訟っていう平成9年の(最高裁)判決なんですが、伝説の判決(に添えられた最高裁判事による)意見といわれていて、みなさんに見て欲しいんですが、三好長官、最高裁の長官ですね。東京高裁の長官とかをやったバリバリのエリート裁判官ですね。ようするに、愛媛県が靖国神社と護国神社のお祭りに公金を支出したっていう事件なんですね。でまあ、神社のお祭りにお金を出してるわけですから、靖国神社がどうのこうのという以前に政教分離違反でしょう、というのが判決で、13対2で違憲判決が出た。違憲判決で13対2って、相当違憲ってことなんですけど(笑)、三好長官は反対意見にまわって、もうひとりの(合憲派の)裁判官はなんとか法律論でやろうとしたんですけど、三宅長官はもう退官が決まってたんで、もう好き放題書いてるんですね。簡単にいうとこれはですね、靖国神社にお参りすることは道義上義務でもあると。

神保哲生:ほう

木村草太:国民の義務なので、当然(公金の支出を)やっていい、という判決なんですね(笑)。これを見たとき、法律家一同あぜんとしまして、靖国神社がどうのこうのとか、靖国信仰も大事だっていってる人も、神社にお参りすることが国民の義務だと、だから合憲だっていうことを、最高裁の意見で書くか?ていうことはかなり衝撃..

神保哲生:長官ですからね..

木村草太:やっぱりこういう意見を見て、キャリアだけではなくて、個別意見を見て判断しなきゃいけないなってことを、やっぱりみんな改めて気づかされたっていう事件です … しかし、この意見を書くまで、こういうひとだってことはだれも知らなかったんですよ。 

2014年12月13日ビデオニュース