1.13.2014

映画『ハンナ・アーレント』に見る.. _01

「感情の回復」とは、感情的になっている個人または集団に対して、相応の時間と、必要であればリソースを費やして、理性的な話し合いのプラットフォームにのぼる準備をすること。
現在の民主国家における「刑罰」の機能は3つに分けられる。
・国家としての意志や価値の貫徹
・社会における、または同一犯による犯罪発生の抑止
・被害者または被害者家族の感情の回復
である。

素朴な直感は、この3つ目の機能について、「被害者やその家族が感情をコントロール出来ないのは、彼らの人間性によるものであり刑量に反映するべきではないし、その機能として挙げるべきではない」と考えますが、ここにそれなりのコストを費やすというのが現在の成熟した民主国家の主流のスタイルで、日本もこれをフォローしている。

誤解してはならないのは、回復されるべきなのは「当事者」の感情であって、それを知って憤る民衆の感情ではないこと、また、この3つは必ずしも整合しない(矛盾しうる)ことである。


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