10.18.2013

税務署

今日良いことがあった。
とある事情でとあるNPOの税務申告をやることになり、相当の日数をかけて決算書をまとめて税務申告書類を書き上げ、わずかに残った不明点をマン・ツー・マンで質問するためにローカルの税務署にアポを取り、朝10時に出頭した。
空はどんよりした曇りで肌寒く、税務署の壁は空と同じ色をしており、ガラス張りの入り口の奥はこれから始まる数時間の苦悩を象徴するかのように真っ暗であった。まったく整合性に自信のない決算書のプリントアウトを抱えてマナ板のコイとなった私を前に、Yさんという署員は、ほんのいくつかの質問だけをして、そして驚くほどてきぱきと空欄を埋めていった。1時間後、Yさんと私の前には社判を押すだけになった申告用紙と、合計税額12,900円の払込書が並んだ。
旅行会社のカウンターでは、どこに行くかさえ決めていない来客を1時間以内に契約に導けばプロであった。来客のコトバの向こうにある(ともすれば本人さえ気づいていない)要望を取り出し、パッケージにし、実現させるのがプロの接客であり、このスキルを持った者は少なかった。
今日とても久しぶりに、プロの仕事に接してとてもいい気分になった。
ghostwriter