2.10.2013

年金、性差、低ソーシャライゼーション

「若い世代は(年金システムが崩壊するということを)受け入れるっていうか..まあ年金は払わないけど税金は払うし、暴動は起こさないし、政治にも..投票に行かない。行かないっていうのは、関心持ってもしょうがないから。合理的だと思いますよ、ある意味」
小幡績氏(慶應大学准教授)

「生物学的に、男性はヒエラルキー上の地位を求め、女性は実利を求める、と言われてきたけれども、これは間違い。(米国などの先進社会で)男性が実利に満足せず地位を求めるのに対して、女性は実利で満足していたのが、グラス・シーリング(法的にも人権思想的にも存在しないはずのガラスの天井。それ以上は出世出来ない)がなくなった途端に、女性は地位を求めて争い始めた。同じ現象は、男性-女性だけでなく、白人-黒人の構図においても起こっている」
小幡績氏(慶應大学准教授)

「生物学的な性差であろうと、社会的性差であろうと、男はプライドが高いと。結果としてね。プライドが高いままだと、老後孤立してどうしようもなくなってしまうと。それを防ぐためには、どっかで(プライド重視=コミュニケーション下手から、融和・共存=コミュニケーション上手への)切り替えを図るってことですよね..」
萱野稔人氏(津田塾大学准教授)

「その前の段階で増えるのが、『ずさんな犯罪なんですよ。捕まっても捕まんなくてもどっちでもいいやっていうね。
計画性はちょっとあるんだけど、それじゃ捕まるだろ.もうちょっと頭使えよっていうね(笑)
これが最初に現れたのが練炭自殺なんですよ。これは練炭自殺マニアの間では良く知られていることなんだけど、(ネット上で盛り上がったメンバーが)10回集まって、9回は移動したりメシ食ったりしてると気分が変わって解散しちゃうんですよ。でも10回に1回はシンクロ率が高くて、死んじゃう。ロシアンルーレットの集合版みたいなもんで..とても面白いでしょ?
ずさんさが現れてる。死んだら戻れない、僕ら的にはね、捕まったら戻れない。だから死なないようにする、捕まらないようにする。でもそこにコストをかけない。そういうふうにして、低ソーシャライゼーション問題っていうのは現れるんですね。
宮台真司

ビデオ・ニュースの有料コンテンツより。trailer→http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_612_pre.asx

「時代の変化」は新聞の紙面ではなく、ナマ身の人間の所作に現れます。「常識はずれ」の「理解に苦しむ」行動を望ましいかそうでないかという観点で語っているうちに、時代はどんどん先に行ってしまいます。それが起こる社会構造が完成しているとすれば、自分の知らないところで何が起こっているのか?と考えるべき。バランスは崩れたのではなく、今、目の前で起こっていることがリアルなバランスの姿です。

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