1.03.2012

自由意志_05

















インド編(過去ブログ)の「書の教え_56」に書いたように、科学的な意味での「自由意志」はない、ということが実証されつつある。


写真の、

①脳の活動
②意思
③ボタンを押す!

という順番は恐ろしく重大な意味を持っています。
私たちの素朴な感覚では②と①は逆である。つまり、

何をするか決める→脳がカラダに指令を出す→カラダが動く

という順番は実験によって否定され、

脳がカラダに指令を出す→何をするか決める→カラダが動く

という脳内電気信号の時系列が発見されてしまったので、もう言いわけは出来ません。

「何をするか決める」

という脳の機能は幻想であり、決めているつもりになっているだけなのである。


火傷しそうに熱いものに触れたときや、時速300kmのサーブを打ち返すとき、人間の脳が「決定→指令→実際の動き」という手順を踏んでいる時間はなく、カラダが動いてから「意思」がその動きを確認する、ということを私たちは経験上知っているといえる。
私たちが「自由意思」によってコントロールしていると信じている「動き」は、すべて「意識」によって事後確認されているに過ぎず、すべてをコントロールする「自由意思」が存在するという幻想が便宜的に存在するだけである。


それではこの「幻想」はいったいどういう「便宜」を持ったシステムなのか.., コントロールする機能の在りかを「無意識」と呼んでかまわないのか(その呼び名によって、真実を隠す新しい幻想が生まれるだけではないのか).., 「脳で脳のことを考える」のはどうしようもなくエキサイティングである。


ghostwriter