結局、なんで日本人が内集団から外に出られないのかっていうと、外集団の社会的規範が存在しないので、なにが起こるかというと、自分がこのムラから放逐されたら、あるいはムラが壊れてしまった時に、自分はどこに座席があるんだ、だれが僕を仲間だと思ってくれるんだ、というコミュニケーション上の不安が非常に大きいわけです。だから、もともと日本には「空気に負けやすい」という文化があるわけじゃなくて、内集団ばかり強くて、外集団が弱い、というそういう社会構造があるが故に、内集団にとどまらないと、自分の振舞いの帰結に関する予測可能性が、ものすごい減っちゃうから、しかたなく内集団にとどまることにするので、だから、しかたなく周りに合わせるというね、ピア・プレッシャーに負けやすいという構造の帰結になっているという、僕は本当にその通りだと思うんです。
7月26日ビデオニュースドットコムより、終盤宮台真司のコメント。
日本には「パブリック」の概念が確立していないと言われます。自らの品位ある振舞いを映してチェックする「パブリックの目」は、内集団のそれにとどまります。
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