12.18.2011

awareness tranings





自己啓発セミナー(=アウェアネス・トレーニング)についての文章を2つ。


アメリカで開発されたアウェアネス・トレーニング(自己啓発)のいろんな手法が、会社の研修などに応用されていますが、僕はほとんど全ての手法の訓練を受けてきています。僕から見ると、その本質はたった二つです。
 一つは、自分自身を規定している文脈(心理的枠組や社会的枠組)を、自ら停止したり変えたりできるようにすること。わかりやすく言えば、自分自身の潜在意識の観察と操縦です。
もう一つは、他者の言うことにベタに反応せず、他者の行為を規定している文脈(心理的枠組や社会的枠組)だけに反応してこの文脈の操縦に力を集中できるようにすること。いわば、他者の側の潜在意識の観察と操縦です。
 この二つを実行するのに有効な実践法は、自己防衛の前線をできるだけ手前側に引くこと。最低限の防衛線が侵されない限りは、余計な防衛をせずに全て譲るようにするのです。そうすれば、自己観察と他者観察の余裕が得られます。


アウェアネス・トレーニングは、欲望を禁圧するより、欲望を書き換えたほうが合理的だという発想から来ています。ここで、エグゼクティブが自分の欲望を書き換え、日常を戦闘モードで生きようとしているとする。さて、日常を戦闘モードで生きようという彼の欲望自体、何者かによって埋め込まれた非自明的なものではないか..


ゴーストライターには、自己啓発セミナーやコーチングやカウンセリングに対する憧れと畏れが20年来あって、それは目を閉じて暗闇にダイブするような、帰ってこれなさそうなわくわくどきどきな感じがたまらなかったので、こういう文章に出会うとむさぼり読んでしまいます。


自分をいじるにあたっての、逃避的でないメタ視点の獲得は、その試み自体に大きな意義があります。
前半は、就活学生に対するメッセージの一部、後半は、映画「ボーン・アルティメイタム」についてコメントした文章の一部。ともに宮台真司。


ghostwriter