あとでこのスライドを見たときに、これは先生ですと言われました。このとき(カウンセリングのとき)は言われませんでした。あまり直接的には言えなかったんですね。
次行きましょう。この作品は(写真5参照)、女の人が、一人で森の中に入っていきます。深いところに行けば、素晴らしい花があることがわかっているけれども、途中が非常に危ない。そこで迷いますが、ついに決心して、一人で、今から森の茂みに入ろうとしているところです。
このときに、僕は心の中で決心するわけです、一人で行かすのは危ないから、一緒に行こうと。それは絶対本人には言いません。
次の(写真6参照)はかなり大きい木を、自分で作られたんです。この大木は治療者で、赤い服を着た女の人がそこにいます。大木である治療者がこの人を完全に抱いているというイメージでしょう。要するに、僕がこの前、一緒に行こうとした決心が完全に伝わっているわけです。
「ブッダの夢」 河合隼雄x中沢新一
ghostwriter