3.26.2012

親鸞

..ええ、それ以外にやり方はないんです。たぶんイデオロギーの場合でもそうなんですけど、宗教のばあいはなおさらそうなんです。包み込んで、こいつ(麻原)はあたかもすごいことをやったように思ってるけど、ほんとはたいしたことないんだよ、こういうのは宗教の〈善悪〉の問題からいえば大きな問題ではないよ、というところにいければ、いちばんいいとおもうんです。

ぼくらが日本の思想家としていちばんいいのが親鸞だとおもうのは、〈信〉〈不信〉の両方からこの人は入れるんです。この人には〈不信〉のほうからも入れますし、〈信〉のほうからも入れる。こういう人がいちばんすごいとおもえてならないんです。

パリサイ人的ファシスティック・ロジックをもってカルトを断罪する(加えて結果的にカタルシスを得る)ことの危険性を口にし、宗教が構造的に超えられないはずのドグマ性をも超越する宗教家の存在を説きます。

'宗教の最終の姿' 吉本隆明

ghostwriter