大阪往復まで行くと、5時間くらい集中して本が読める。恐るべし丹波。
実質的に同等に見える部分部分は、それぞれが置かれている動的な平衡系の中でのみ、その意味と機能を持ち、機能単位と見える部分にもその実、境界線はない。
遺伝子組み換え技術は期待されたほど農作物の増収につながらず、臓器移植はいまだ決定的に有効と言えるほどの延命治療とはなっていない。ES細胞の分化機構は未知で、増殖を制御できず、奇跡的に作出されたクローン羊ドリーは早死にしてしまった。
こうした数々の事例は、バイオテクノロジーの過渡期性を意味しているのではなく、動的な平衡系としての生命を機械論的に操作するという営為の不可能性を証明しているように、私には思えてならない。」
「動的平衡」235ページ。
ghostwriter